躯体について考える

メールでのお問い合わせはこちらをクリック

情報

ビル、マンションの雨漏りの原因を考える際役立つように、躯体について考える

2020/06/15

ビル、マンションの躯体について考える

雨漏りを始め、外装メンテナンスではムーブメントを考えます。建物の劣化しやすい部分を考える

躯体の説明は詳しくは、様々なホームページで「躯体」「躯体とは」などで検索するといっぱい出てきます。躯体別の建築費用や耐火、耐熱性能などは、外装メンテナンス上は、すでに建っている建物についてなのでそれらのホームページに任せて割愛いたします。外壁補修で躯体に対して考えるのは、揺れなどのムーブメントです。動きで力がかかる部分は地震などの大きな揺れはもちろんですが、経年劣化にも関わっています。

 

細かいことをはしょって、誤解を恐れず簡単にすると、S造>RC造で揺れているということになります(木造、SRC造はロープでの対象建物では少ないので割愛)。

お客様はSとRCを比較することはないと思いますが、お客様の建物がS造なら動きがある建物なので、日頃から、どこが劣化しやすいかを考えて、補修や塗装の目安にしていただきたいです。S造は揺れを受け流して緩衝させているため、地震などの大きい揺れには粘り強さが出ます。反面、緩衝部材(ALCの目地シールなど)や、緩衝部位(スプリットなど)、構造上元々劣化しやすい部位(パラペットなど)は経年劣化しやすく、日頃から気にして見ておく事が大切だと思います。また、ALCの場合は塗膜の劣化などにも注意が必要になってきかます。

RC造の躯体の特徴は剛性や耐久性、耐火性ます。これは柱や梁の断面が大きくなるので、その分重量が重くなります。これは、日頃のムーブメントに対し強いということになりますが、地震などの大きな揺れには弱くなります。最近は耐震構造も進化していますから、地震に対しても強くなってますが、建物がどの様に揺れを逃しているか把握していると大規模修繕時などに役立ちます。コンクリートの打継ぎ部分などには負荷がかかっているので、比較的劣化が進みやすいですが、外見だけや図面でもどこが打継ぎかわかりにくいと思います。階層、隔階層など、スラブ天端で継がれてることが多いので点検時は留意したい部分です。

外壁を躯体と呼ぶかは建築基準法の定義で「構造耐力上必要な部分」とされ、厳密には、スリット壁や腰壁垂壁など構造耐力上必要でない部分は躯体ではないことになったり、躯体だが仕上げで隠れる外壁躯体などあり少しややこしいです。実務的には躯体を補修できる工事かどうかの時に重要になりますが、ムーブメントによる劣化を考える際は、骨組みで考えた方がわかりやすいかもしれません。RCの場合は柱と梁で構成されるラーメン構造と、柱のない壁式構造がありますが、マンション、テナントビルなどはラーメン構造が多いと思います。

 

さらに例外が多くあるのは踏まえつつ、簡単にするとタイル外壁はRC造、ALCパネル壁はS造が多いと思います。ALCのタイル貼りは別途記事を書きますが、かっちりしたRC造にかっちりしたタイル、粘り強いS造に柔軟なALCパネルはマッチした組み合わせですが、ALCパネルxタイルは更なる注意が必要な組み合わせになります。

 

外装メンテナンスにおいて、躯体の種類を把握することは、主に動きを考え有効な補修を考える材料になります。

鉄骨造(S造)

粘り強い躯体 動きを受け流すのが特徴

鉄骨造は、断面積の割に強度が大きく粘り強い鋼材の特徴を生かした構造です。垂直部材の柱と水平部材の梁、斜めの筋かいなどで構成され、強度が大きいので高層建物や、大スパンの建物に適します。

部材の接合は、主にボルト接合と溶接接合があり、併用される場合も多いです。RCと比べると、熱に弱く、また錆びやすいのです。ALCパネルとの組み合わせでは、ALC自体に浸水してしまうと、鉄骨やアングルを伝い雨漏りしたりしますので、外壁のメンテナンスは動きからくる劣化(クラックや目地シールの劣化)からの浸水をより早く補修する必要があります。

鉄筋コンクリート造(RC造)

ガッチリした躯体 ガッチリしている分大きな揺れには弱くなる

鉄筋コンクリート造はその名の通り鉄筋とコンクリートを使った構造で、引張力に強い鉄筋と圧縮力に強いコンクリートのそれぞれの特徴を生かした構造です。強度が大きいので高層建築物にも採用されます。

柱や梁のコンクリート断面が大きくなりますので、建物自体の重量が大きくなるのが特徴です。この特徴は風などには強いですが、地震による影響は受けやすくなります。耐震は構造設計段階で対策されていることもありますので一概には言えませんが、地震などのあとには建物を入念にチェックすることをお勧めいたします。

鉄骨鉄筋コンクリート造

SRC造

今回触れていませんが、SRC造は粘り強い鉄骨造と力強い鉄筋コンクリート造の両方の長所を合わせた構造です。鉄筋コンクリート造より強度に優れるので、柱や梁などの部材断面を細くできるため建物の重量を抑えることができる構造です。

躯体の特性を知っておくと雨漏りの原因、再発防止に役立つ

躯体の特性を知っておくと雨漏りの原因を探るときに役立ちます。
シーリングの劣化の仕方、コンクリートのひび割れなど、建物のムーブメントが起因のものを知っておくことは、補修の方法を理解することにつながり、提案が適切かなどの知識につながると思います。

 

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。